2018年4月12日に出張で来日していたアメリカ人ボスが体調不良で、帰国便を急遽キャンセルして、「聖路加国際病院」(東京・中央区)に緊急入院しました。幸い、予定していた1週間で退院できそうとのメールがさっき!届き、4月12日から始まった私の「お世話」も、明日で終わりを迎えます。
訪日外国人も2017年時点ですでに2,800万人を突破しまだまだこれからも、2020年のオリンピックに向けて増加傾向にあるので、今回のこの貴重な経験で学んだことをせっかくなので、書いてみることにしました。
なんと言っても言語。正確には「医療英語」
やっぱり、人の生命に関わる話なので、普段の「日常英会話」に比べたら、かなりの専門性が必要になるなと思いました。臓器ひとつとっても、病名ひとつとっても、とにかく「医療英語」って基礎知識として知っておくと損はないのかなぁ〜ということに気づかされました。
今回は、たまたま知っていた臓器の名前だったので、なんとかことなきを得ましたが、脇汗びっしょりでした。さらに難しい「痛みの表現」は、英辞郎先生無しでは、通訳はできなかったと思います。
そういう意味で、今回お世話になった「聖路加国際病院」は外国人を積極的に受け入れている病院なので、ドクターもナースの方も英語を基本的にお話しされていたので、とてもとても助かりました。また、面白いことに、痛みの度合いを「数字」で表現するチャートを使って、情報共有をしてました。
保証金
そう。命よりも大事なものは無いけれど、「お金」が無いと治療を受けられ無いのも事実。日本人の場合は、「国民皆保険」があるので、保証金も「20万円」と決まっているのですが、この保険適用されない外国人の場合は、治療内容により保証金が変わります。
今回の私のアメリカ人ボスの場合は、病名が「急性膵臓炎」と診断され、緊急の手術はありませんでしたが、見積保証金額は200万円でした。アメリカの高額医療費に慣れていると想定はしておりましたが、ベッドに横たわるボスに向かって、
「Appoximately $18,700 may be needed as Deposit」(保証金は約200万円です)
と伝えた時のボスの驚いた顔は一生、忘れないことでしょう・・・・。
「目を丸くする」という表現がピッタリでした。
そして、決まり文句のように、
Call the insurance company. (保険会社に電話して!)
との指示で、保険会社との交渉が始まりました。病気の痛み、異国にいる不安、そして大きくのしかかる保証金問題。傍から見ていて、とても気の毒になりました。「外国で病気になる」というのはホントに大変だよなーとつくづく思いました。
とは言え、病院としてはこの保証金が無いと治療もできないだろうから、大変でも解決しなくてはならない問題ですよね。入院2日目にして解決した時は、「安堵」した様子でした。私もホッとしました。だって、200万円って・・立て替えておきますよ!と簡単に言える金額では無いですもんね。とはいえ実は、まだ水面下でやりとりが続いている問題のようです。明日の退院日には、病院側とのしこり無く、退院できると良いのですが・・・・。
そして食事
今回は「急性膵臓炎」ということで、3日程点滴で栄養を摂っていましたが、徐々に流動食に変わり、半固形食に変わりと変遷していく過程で、わがままを言い始めたのが、「流動食」。
おそらく「おかゆ」のようなものが出ていたと思われます。本人曰く「なんだかわからないもの」と言ってましたが・・・。そして、看護師さんに「Western diet, please.」と泣きついていました。結局、どんな食事が出されていたかはわかりませんが、帰国できるまでに回復したのだから、それなりに良いものが出ていたのでしょう。
ということでボスの日本での入院生活も明日の午前中で終わり。
私もボスもなかなかに大変な経験でしたが、とても学びの多い経験でした。
2020年の東京オリンピックに向けて、自分ができる可能性を考えるきっかけにしたいと思いました。