2019年5月20日にシンガポールに行ってきました。
17年ぶりのシンガポールは、「ここは近未来?」と思うような変わりっぷりで驚きの連続でした。
こんなのが建っていたり・・・
あんなのが建っていたり・・・
でも、17年前に宿泊したフラトンホテルは、相変わらずの落ち着き感があって、ホッとしました。
今回初めて「アラブストリート」(ブギス駅下車)に行ってきました。
そこで、一緒に行った友人と、トルコ人店員お薦めのアラビアンフードを食べることにしました。
食事は・・・・まあまあというところだったのですが、そこの場で目にした、現地の方の
何気ない光景にいたく感動してしまいました。
私たちの隣で、シンガポール人の家族(旦那さんのご両親、ご夫婦と小さな2人の子供)が食事をし始めました。
2人の子供のうちのお兄ちゃんは、4歳くらいかな?1人で椅子に座って晩御飯のパスタを食べていました。
弟くんは、まだ、赤ちゃん椅子に座るくらい小さい。なので、お母さんがパスタを食べさせていました。
途中、お兄ちゃんが皿に盛ってあったパスタを床にパッシャーーンと落としてしまいました。
隣で見ていた私は、「あーあ、やっちゃったー。ママに叱られるぞーーー」と思ってましたが、お母さんは、
子供を一言も叱ることなく、
「It’s OK」
と言って、自分の取り皿をお兄ちゃんに渡し、何事もなく食事が続いていきました。
あれ?これ、もし日本で同じことが外食先で起こったら・・・・・
「ちょっとー、何やってんの。ちゃんと食べなさい!!」
「もぉーーー、こんなに床にこぼしちゃってーーー」
「なんで、ちゃんとできないの???」
とお母さんのどなり声が聞こえてきそうな場面なのに・・・。
その場に居合わせた、お父さんやおじいちゃん、おばあちゃんの誰からもそんな声もあがらずに、淡々と食事が続いていきました。
次に、弟くん。まだ、赤ちゃん椅子に座って食べているので、綺麗に食事を食べられない。
なので、弟くんの席のテーブル、それから座っていた床付近にはたーーーーーくさんのパスタの食べこぼしがいーーーーっぱい。
もちろん、「食べる」を学んでいる年齢なので、誰も責めはしない。
がしかし、その汚れかたは、かなりものものでした。
食事もそろそろ終わり頃、そのテーブル担当をしていたウェイターのアラブ系の兄さんが会計に訪れました。
ウェイター「How was dinner?]」(食事はどうだった?)(海外では、食事の後によく聞かれる質問です)
お父さん「Oh….Its’s wonderful!. Thank you. And sorry for getting messy」(すばらしかったよ!ありがとう。それから、たくさん汚しちゃってごめんね)
ウェイター「Oh, It’s OK」(気にしないでー)
そう、ウェイターは笑いながら(引きつり笑いではありませんでした!)、
「It’s OK」
と言ったのです。
あたかも、「子供は汚すのが仕事なんだから、そんなの気にしないでー」みたいな、本心から発せられた一言に、いたく感動してしまいました。
この10分間の家族とウェイターのやりとりの中で、私たちもシンガポール人から見習うことがあると思いました。
それは「It’s OK」の許しの文化。
とかく私たち日本人は、
「ちゃんとしなくちゃいけない」
という、他人の目線を意識し過ぎて、眼に見えないプレッシャーのような中で生きがちです。
なので、自分を含め、人が「ちゃんとできない」シーンに遭遇すると、ついつい
「いらっと」
してしまいがちですよね。
でも、
「It’s OK」
- 全然問題無いよー
- 気にしないでー
- 大丈夫、大丈夫!
と場面によって、言葉のニュアンスは変わるだろうけど、「許し」の境地で接せたら・・・・・・なんか、こう、もっと穏やかな気持ちで過ごせるんじゃないかな・・・。
そんなことを気づかせてくれた瞬間でした。
「It’s OK」(大丈夫、大丈夫)
自分にも他の人にも、言ってみたいと思います。