実は私たち日本人女性は、「世界でもっとも睡眠の少ない」人種のようです。
睡眠時間に関する国際調査によると日本は睡眠に関するどんな調査でもたいがいワースト1位か2位。とにもかくにも、日本人の睡眠時間は世界最低レベルだそうです。
厚生労働省が毎年実施している「国民健康・栄養調査」(平成29年)でも1日の平均睡眠時間が「6時間以上7時間未満」の人が男性35%、女性33.4%。6時間未満の人が男性36.1%、女性42.1%。さらに5時間未満の人が40代、50代で男女いずれも1割以上、つまり10人に1人はいるという結果。
特に、小さな子供を持つワーキングマザーの睡眠時間が短い傾向にあるのではないかと著者の西野先生が推測。
ちなみに欧米諸国では、男性よりも女性の方がよく眠っているのに比べて、日本、インド、韓国、メキシコの女性は男性よりも睡眠時間が少ない結果とのこと。高い美容液を購入してお肌を整えるよりも、お金のかからない「睡眠」をまずは取りたいですね。
睡眠=「たかが休息」とあなどるなかれ。
西野先生がまとめる、「睡眠」が持つ5つの役割はこちら。
1. 脳と身体に休息を与える
2. ホルモンバランスや自律神経を整える
3. 記憶を整理して定着させる
4. 免疫力を上げて病気を遠ざける
5. 脳の老廃物を除去する
どれも「健康」に生活するには欠かせない役割ばかり。それを、くどいようですが(笑)、お金をかけずに今晩から十分な睡眠をとることで、簡単に手に入るのですから、やらないわけにはいきませんね。
とは言え、忙しい現代生活を生きている私たち。確実に理想の睡眠時間7時間以上を毎日取ることは難しい場合もありますよね。そんな時はせめて、睡眠の「質」にこだわりたいですね。
良質な睡眠ってどうやってとるの?
最大のポイントは「寝入りばな、最初のノンレム睡眠を深く、しっかりと眠れるようにすること」だそうです。
西野先生は、これを「黄金の90分」と名付け、前著「スタンフォード式 最高の睡眠」で強く説いております。睡眠周期が90分ではなく80分でも120分の人でも、とにかく最初のノンレム睡眠を「最高の眠り」にするという意識をもつことが大事とのこと。
(睡眠ログ)
ちなみに私のとある日の睡眠ログ。入眠するまで5分かからない!我ながら睡眠の優等生!(自称・・・・(笑))
特に大事な最初の「入眠」潜時
ここで特に管理したいのが「温度」だそうです。それは体温だけではなく室温も含めてとのこと。
我々ヒトは、恒温動物でありながらも、微差なサーカディアンリズムによって体温は日内変動しているとのこと。夜眠っている時は体温が一番低く、目覚めて活動を開始すると徐々に体温が上がってくる。午後2時から3時頃にかけて1日でもっとも体温が高くなり、そこから少しずつ下がっていく。
昼間は高くて、夜は低い。その差は個人差もありますが0.7度くらいの変動があるらしいです。ということで、夜、体温が下がることで眠くなり、すこやかな睡眠が得られるので、体の体温(特に深温)を上げてしまう入浴はできるだけ睡眠の2時間前に入るのが理想だそうです・・・。これまたハードル高いですね。多くの方は、寝る直前にお風呂に入ると思うので、できるだけ深温を上げないように、低めの温度のお湯に入るとか、シャワーや足湯にする等して、快適な「寝入りばな」を手にしたいですね。
最後に、「熟睡」をうながす寝具のポイントはこちら!
マットレスパッド
テレビコマーシャル等で目にしたことがあるであろう寝具メーカー・エアウィーブ社のマットレスパッド「エアウィーブ」は、アスリートの方がよく使っている寝具として有名ですね。実は、西野先生、このエアウィーブを使って「睡眠の質を寝具との関係から分析」し、その結果がアメリカの科学誌「PLOS ONE (プロス・ワン)」始め、査読の厳格な科学誌に掲載した、世界で初めて「寝具と睡眠の質」を科学的に証明した第一人者。
エアウィーブ社はこのマットレスパッドの「高反発」を売りにしていたようですが、西野先生はむしろ「通気性」に着目していたそうです。というのはこの「エアウィーブ」。特殊素材であるエアファイバーを使用しており、一般的なウレタン素材で作られたマットに比べ、はるかに「通気性」が良いそうなんです。そう!通気性が良いと、眠りにつくときに自然な「体温」変化をもたらしてくれるからなんだそうです。
実は私も、エアウィーブ愛用しており、愛用歴4年になります。購入時にお店の方に「通気性が良いので布団干ししなくても良いんですよ」と言われたので、即買いを決意しました・・・ズボラなので・・・(笑)。
枕
枕も、素材があって迷いますよね。基本的にお好みによるところが大きいとおもうのですがやはりポイントは「温度」。枕の場合は、頭を「冷やしてくれる」ものが良いとか。とは言っても「冷却枕」ではないのでご注意下さいね(笑)
たかが睡眠、されど睡眠。私は、「睡眠」をお金をかけずに今晩から取り掛かれる「予防医療」だと思っています。特に忙しいワーキングマザーの方には、家事を工夫しながら、お子さんと一緒に、質の高い睡眠をとってもらいたいなぁ~と思いました。