今週末、台湾人の友人のお見舞いに、1泊2日の弾丸スケジュールで台湾に行ってきます。彼女は大腸から肝臓へ転移してしまい現在ステージIVにいるがん患者です。私の周囲では、初めてのがん患者です。
何を言い、どんな風に接して良いかがわからない・・・・
そんな時に、先日参加した樺沢紫苑さん主催「ウェブ心理塾セミナー祭り」内でNPO法人宮崎がん共同勉強会理事長 でもあり がん治療医の押川勝太郎先生の「現役がん治療医のセミナー がんの防災 アクティブ緩和ケアがあなたの人生を守る」という25分間の講演があったので、何かヒントを得られるかもと思い、受講することにしてみました。
たった、25分の講演だったけど、今まで知らなかった「がん」についてとても多くのことを学ぶことができました。
気づき1 マスコミ等により我々は「がん」への刷り込みがされている
お医者様からの立場でいうと、末期ガンとステージIVは同じではないという。
末期がんは有効な治療法が無く、余命1〜3ヶ月(6ヶ月?)の患者
ステージIVは遠隔転移があって根治(完治)できない患者
を指すとのこと。
押川先生曰く、我々は「ガン」= 死のようなイメージが植えつけられ過ぎているとのこと。テレビでも映画でも、主人公は死をもって最期を迎えないと、視聴率が取れないからとか。
実際に、がん患者の方でも治療をしながら、サバイバルしている方々がたくさんいるとのこと。ただ、世間的に「がん」であることを知られたくなくて周りに口外していない方が多いとか。
お恥ずかしながら、私も末期がんとステージIVが違うということをこの時に学んだ。とういことで、ステージIVにある友人でも、完治はしなくても、まだまだ希望が持てることに安堵した。
気づき 2 ガンは「加齢現象」。2人に1人はがんになる。
今週末一緒にお見舞いに行く友人が「なんで、彼女ががんにならなくてはならないわけ・・・・」と言って大泣きをするのだが、2人に1人、がんになる可能性があるということは、なにも台湾人の友達だけが「特別」というわけではない。私は主人と2人暮らしだが、50/50の可能性で私自身、がんになる可能性だってある。
実際に私は、ピロリ菌で陽性結果が出ている。それを早くに知れたので、すぐに除菌の薬を飲み、再診察を待つ身だけど、ピロリ菌に感染していることすら知らないままでいたら、「胃がん」になっていたかもしれない。
そのことを知れて、ますます「予防医療」ということの大事さに気付かされていた。私の友達は、子育ての真っ最中で、ちょっと手のかかる子供達のようで、自分の体をないがしろにしてしまったことをとてもとても悔いていた。
気づき3 患者さんの苦痛は、より「社会生活」に関連するものへと変化していること
1982年のデータによると、患者さんにとっての最大の苦痛は「嘔吐、悪寒、脱毛」と言った身体的な苦痛だったようだけれども、医療の進歩でこれらの苦痛が和らいだおかげで、2002年のデータによると、今は「家族への影響」というのが患者さんにとっての最大の苦痛となっているとのことでした。
友達の例で言えば、やんちゃな男の子2人を子育てしている真っ最中なのに、食事を作ったり、一緒に遊んであげられない彼女の心境と言ったら、治療からくる身体的な苦痛以上に耐えられないものがあるだろう。想像するだけで泣けてきます。
そんな患者さんに今必要なのは、「情報」。病気は完治しなくても、「今」の生活・そして「人生」を守るために、同じ境遇にありながらも、サバイバルしている人同士で、「サバイバル術」を共に情報共有し、励まし合い、「今」を精一杯生きていくことだそうです。
講演の後、10分の個別相談にのって頂き、頂いたアドバイスは
普通に接してください。本人としては周りから気を遣われすぎるとストレスになるので、手伝えることがあるかどうか聞いてください。
とのことでした。そして同じような境遇でサバイバルしている患者さん同士の集まり「キャンサー・ペアレンツ」のご紹介もしてあげてくださいとのこと。
当の本人が一番辛い思いをしているのだから、私が涙など流している場合では無い。私のできることをしてあげよう。
今週末、ちょっと楽な気持ちで会えそう。
押川先生は、YouTubeを使ってがん患者に寄り添う活動をたくさんしています。ご興味のある方はこちらの情報を参照下さい。
また著書はこちら。